01 — かたち
私たちは、意外な場所から着想を得ました — Appleです。iPhoneの角を見てください。あれは単純な円弧ではありません。スクワークル — 予想よりずっと手前から向きを変えはじめる、連続した曲率です。なぜそう感じるのか分からないまま、あなたの目はそれを「完璧」と読み取る。
私たちは家具にも同じ原理を、ただし三次元で応用します。ENWAのテーブルのエッジは、あなたが思うよりずっと手前から、ゆるやかに、少しずつ曲がりはじめる。だから角になるはずの場所に手が届くころには、そこにはやわらかさしかありません。目はなお、すっきりとした薄いエッジを読み取る。けれど手は、まったく別のものを見つけるのです。
開発図面:テーブルの角のディテール(1:2)と、脚先の形状(1:5)
およそ二百のバリエーションを試しました。難しかったのは、異なるスケールの曲線どうしの関係です。天板のエッジのうねり。脚のテーパー。それらが出会う場所。そのすべてが、別々の判断を縫い合わせたものではなく、ひと続きのひとつの所作のように感じられなければなりませんでした。
始まりは、いつも紙の上です。デジタルモデルの前に、プロトタイプの前に — ただ一本のペンと、ひとつの問い。これは、どう感じられるべきか。最初のスケッチは、CADには決して捉えられないものを掴んでいます — 曲線の背後にある意図です。ここに10度の傾斜。そこに450mmの座面高。「curve(曲線)」という言葉と、幾何学が心地よさへと変わるまさにその瞬間を指す矢印。
最初のスケッチ — ENWAチェアが、ひとつの曲線ごとに形をなしていく。
紙から、ピクセルへ。すべてのスケッチは3Dで検証されます — 回し、拡大し、問い直す。曲線は、どの角度から見ても成立しているか。プロポーションは、1300mmでも3200mmでも保たれるか。下に並べた画面のキャプチャは、生のまま、磨かれていません。それが肝心なのです。撮影の前の、デザインの本当の姿がここにあります。
生の3D開発 — セン ダイニングテーブルを実寸スケールで検証する。
「正しい曲線とは、画面でいちばん美しく見えるものではない — あなたの手が、離れたくなくなるものだ。」
家具は、あなたの暮らしの質のなかへ消えていくべきです。その逆ではなく。
02 — 工房
私たちは、無垢材を三十年以上扱ってきた職人の親方が率いるチームと出会いました。これは売り込みの場ではなく、木目の方向や含水率について、そして季節が移ろうときオークに何が起きるのかについての、ひとつの対話でした。
原木から、磨き上げられた表面へ — 北米産ホワイトオークを挽き、手でサンディングする。
03 — 素材
どのピースも、北米産ホワイトオークから始まります — その木目ゆえに選んだ材です。私たちは、表面に物語を語る木がほしい。一枚一枚の板はすべて違っていて、それこそが肝心なのです。
ナチュラルとチャコール仕上げのオークのサンプルと、織りの張地 — 耐久性と温かみで選びました。
木材は切り出され、接ぎ合わされ、それから落ち着くまで寝かされます。無垢材は動く — 膨らみ、縮み、湿度について意見を持っています。この工程を急げば、後から割れが出る。だから、私たちは急ぎません。
デジタルで設計された形状が、無垢の板から削り出されます — はじめは荒削りです。何か月もかけて磨き上げた曲線が、いま物理的なかたちとして存在する。ここが、機械が止まり、手が始まる場所です。
そこから三日、四日かけて、チームはすべての曲線を手で仕上げていきます。デジタルで定めた形状をなぞりながら、機械にはできない微調整を施す — 木目が向きを変える場所、ふたつの面が出会う場所、数学に人の手が必要になる場所で。
04 — 仕上げ
どのピースにも、極薄マットウレタン塗装が施されます — 三度塗りで、各層のあいだに安定させる時間をおきます。あえて極薄に:塗膜が木の上に積み上がるのではなく、木の中に低く沈むので、日々の摩耗や、こぼれ、湿気から守りながら、木目は見え続け、触れれば温かいまま。暮らしのなかで使い込むための仕上げです。つやつやしたものは何もなく、木を隠すものも何もありません。
05 — テスト
最後のテストは、視覚ではありません。触覚です。私たちは、すべての表面に手を滑らせます。正しいENWAのピースは、あなたに触れ続けたいと思わせる — 手は曲線に沿って行ったり来たりし、そのやわらかさを、何度でも見つけ直すのです。
完成したセン ダイニングテーブル — 数学が、感情になる場所。
セン ダイニングテーブル
北米産ホワイトオーク · チャコール塗装 · 2200mm / 3200mm
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